Saturday, October 31, 2009

Ghost in the shell - film 4/9



なあ、海へ潜るってどんな感じだ?
アンダーウォーターの教程、すんでるんじゃなかった?
なんなプールの話を聞いてるんじゃねえよ
恐れ、不安、孤独、闇、それからもしかしたら希望
希望?
真っ暗な海のなかで?
海面へ浮かび上がるときいままでとは違う自分になれるんじゃないか
そんな気がするときがあるの

お前、9課をやめたいんじゃないのか?
バトー、あんたの体どこまでオリジナルだっけ?
酔っ払ったのか? おまえ
便利なものよね その気になれば体内に埋め込んだ化学プラントで、血液中のアルコールを数十秒で分解して素面に戻れる だからこうして待機中でも飲んでいられる
それが可能であればどんな技術でも実現せずにはいられない
人間の本能みたいなものよ
代謝の制御、知覚の鋭敏化、運動能力や反射の飛躍的な向上
情報処理の高速化と拡大、電脳と擬体によってより高度な能力の獲得を追及した挙句、最高度のメンテナンスなしでは生存できなくなったとしても 文句を言う筋合いじゃないわ

おれたちは9課に魂まで売っちまったわけじゃないんだぜ

確かに退職する権利は認められているわ
この擬体と記憶の一部を謹んで政府にお返しすればね
人間が人間であるための部品が消して少なくないように
自分が自分であるためには驚くほど多くのものが必要なのよ
他人を隔てるための顔、それと意識しない声、目覚めのときに見つめる手、幼かった頃の記憶、未来の予感
それだけじゃないわ あたしの電脳がアクセスできる膨大な情報やネットの広がり、それら全てがあたしの一部であり、あたしという意識そのものを生み出し、そして同時に、あたしにある限界を制約しつづける

それが沈む体を抱えて海に潜る理由か
暗い海の底で、一体なにが見えるってんだ

いま我ら 鏡もてみるごとく 見るところ朧なり(雅語)

いまの お前だよな?

遅れるなら遅れると 連絡くらいせんか
準備できました つなぎます?
ようし
十分だ 切れ
三分後に課長室へ出頭しろ
遅刻してきたお前のために 親切なおれが説明してやるとだな
二時間ほど前、ニューポートシティーにあるメガテックボディ社のラインが勝手に擬体を作り始めたんだそうだ
それに気がついた係官が到着したときには擬体はすでに逃走
で、非常線を張って捜索していたところへ 拘束をうろついていた裸のおんなをはねちまったって、良心的な運ちゃんから通報があり、ここへ持ち込まれたってわけ
メガテックボティ社ってのは政府御用達のメーカーで
そこで作ってる擬体は全て機密なんだって
ハッカーの仕業だとすると、攻性防壁を潜る凄腕だが
問題はそれだけじゃないんだ
奴の頭の中にはもちろんひとかけらの脳みそもはいっちゃいないんだが、補助電脳の中には、どうやらゴーストらしきものが存在するんだと

ゴーストをダビングしたときに生じる、擬似ゴーストラインに似ていなくもないんですが
ダビングに特有の情報の劣化が見られません
いずれにせよ障壁周辺の地図を作成した上でもぐって見なけりゃ確証はありませんがね
じゃ、わたしあれの検査の途中なんで
ご苦労
さて、ばらすか

もしかしてみなさん、あの擬態にゴーストがあるなんて本気でおもってる?
ありうるな
セルロイドの人形に魂が入る事だってあるんだぜ
ましてやつは脳医学ようのデバイスを詰めこめるるだけ詰め込んでるんだ 魂が宿ったって不思議はねえさ

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